海外に1年間住んだことがあると話すと、よく「すごい」「勇気がある」と言われます。
実は何の資格や英語力もいらずに、30歳以下であれば誰でも行くことができる「ワーキングホリデー」という制度があるということを知っていますか?
わたしはこの制度を使って、カナダのバンクーバーに1年間の海外留学をしました。
海外移住に興味をもったきっかけ
わたしが海外移住を意識するようになったきっかけは、人の死に身近な看護師という仕事をしていたからです。
多くの人は亡くなる前に若い時にしたかったこと、できなかったことを後悔します。患者さんの亡くなる直前の言葉は、当時のわたしにとてつもなく大きなエネルギーをくれました。
「死ぬ前にしたいことを全部やってみよう」という気持ちです。
人の死に際に触れることがきっかけとなり「死ぬ前にしたいことリスト」を黙々と作りました。
その時に、海外に住んでみたいという漠然とした思いが文字として浮かび上がりました。
当時は海外に住むなんて自分とは関係ない遠いもののように感じていましたが、実際に調べてみると30歳以下であれば、誰でも簡単に海外に1年間住めることが分かりました。
さらに、30歳を過ぎると自動的に権利がなくなってしまうため、今のうちに行かないともったいないという気持ちさえ湧いてきました。
社会人になってから日本での働き方に疑問が浮かぶ
そして当時は、日本の労働環境に疑問を持つ機会が多かったことも海外に住みたいと思った1つの理由です。
サービス残業は当たり前、休日でもカンファレンスのために出勤、先輩からの暴言やパワハラとも思える指導など色々と自分の中で少しずつ積もり積もったものが一気に弾けました。
自分を犠牲にして働くことが美徳とされる日本社会で、これからも一生生きていかなければならないことがとても辛く感じました。そして、海外に行って自分の人生や幸せを見つめ直したいという気持ちが最大に高まりました。
留学ではなくワーホリを選んだ理由
海外で働くことができる
ワーキングホリデーの最大の特徴は海外で働くことができること。
日本以外で働く経験をしたいという気持ちがあったので、これはわたしにとって最大のメリットでした。
実際に働いてみて、感じたことは労働者の立場が雇い主と対等であることです。疑問があれば上司に必ず確認する、給料や条件が見合わないと感じるのであれば交渉する、労働者の権利を主張する。これらの行動が当たり前という風潮を肌で感じることができたことは、自分の人生にとって貴重な経験になりました。
逆に主張をしないと自分の立場が弱くなってしまうので、自分の考えや権利を主張する技術や勇気を学ぶことができたことも大きな収穫でした。
金銭面の不安が少ない
2つ目の理由として、金銭的に不安がある人にとっては最高の制度であること。
わたしの目標のうちの1つは、なるべく誰にも頼らずに1人でワーホリを達成することでした。社会人の時に貯めた貯金を使う予定だったので、予算に限りがありました。
また、仕事を辞めて無職になることに大きな不安と抵抗があったことを今でもはっきりと覚えています。そのため現地で足りないお金を調達しながら暮らすことができるワーホリの制度が、金銭的な不安と行動の制限を緩和してくれました。
わたしの場合は週4回、8時間の労働で1ヶ月暮らすのに十分なお金が稼げていました。そのため、貯金はほとんど崩さずに語学学校や旅行などの自己投資へ充てることができました。
国内を自由に渡り歩ける
そして、実際に移住後に暮らしてみて気づいたメリットは移動がしやすいところです。
留学ビザで滞在すると実際に語学学校などに通うことが前提のため、移動の自由度が低いです。
しかし、ワーホリでの滞在であれば、国内を自由に渡り歩きながら暮らすことができます。
例えば、実際に住んでみないとその街が自分に合うか合わないかなんて分からないですよね。その点ワーホリであれば、気に入る滞在先が見つかるまで渡り歩くノマドのような生活スタイルを経験できます。
実際にわたしの友人の中には季節の変化に合わせて3ヶ月おきに滞在先を変更する生活スタイルの人もいました。
人生は有限です。後悔をしても時間は戻ってきません。
限りある人生を後悔がないように、海外移住に興味がある人は一歩を踏み出しましょう。
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