最近は日本語以外の言語を学ぶため、実際に他の国に留学し、言語や文化などを学ぶことは主流になりつつあります。
多くの場合、そのような留学先として選ばれるのは、英語を共通語とする英語圏の国でしょう。
しかし、英語圏以外にも留学先として魅力的な場所は多くあります。その一つが、英語、中国語についで世界で三番目に多くの話者がいる、スペイン語が話されている国々です。
ここではスペイン語圏といえば特に代表的であるであろうスペインを取り上げ、スペインに留学するメリット・デメリットを紹介していきます。
スペイン留学のメリット
現地のスペイン語を学べる
スペイン留学の一番のメリットはスペイン語を現地で学ぶことができると言うことです。
現在は様々な学習ツールが存在していて、語学学習における留学は必ずしも必要なものではありません。
しかし、やはり留学をすることでこそ得ることのできる経験は多くあります。
例えば、留学先ではネイティブスピーカーと関わり本場の言葉に触れることができますし、実際に暮らしてみることで言語と深い関わりを持つ、その国の文化についても同時に学ぶことができるでしょう。
また当たり前のことではありますが、留学中は圧倒的にスペイン語の使用量が増えます。ショッピングをするにしても、スーパーに行くにしても、結局スペイン語を使わなければいけないからです。
そして、そのような日常で使うスペイン語は参考書などでは学ぶことのできない部分ですので、日常会話を学ぶことができると言う点でもスペイン留学は非常に有意義な経験となるでしょう。
他とは違う経験ができる
前述した通り、留学自体が主流になりつつある中で英語圏に留学したことのある経験者は相当な数に上ります。
この中で、
留学先にあえてスペインを選ぶことは、新しい物事に踏み出し、他の人とは違う事柄を体験するためのきっかけになるといえます。
もちろんスペインではなく英語圏であっても、日本から出て生活すると言う経験自体が新しい経験であることは間違いありません。
しかし、留学自体が「他とは違う経験」であった今までとは異なり、今は特に英語圏の留学情報などは多くあって、ネットでも英語圏の国名+留学と検索するだけでたくさんの情報がヒットする状態です。
多く情報が上がっていて、多くの体験談を読むことができる国に行くよりも、今から自分である程度切り開いていかなければいけない状況下のスペインに行った方が面白い出来事に出会ったり、新しい体験をすることのできる可能性は高いでしょう。
普通とは違うこと、あまり情報がないことにチャレンジするのは勇気の必要な行為ではありますが、実際にその行為を通じて得た経験や知識は一生物になるに違いありません。
日本人が少ない
留学生活で一番もったいないのは、留学しているにも関わらずその状況を有意義に活用できないことです。その代表的な例が、留学先で日本人とばかり一緒にいて、ずっと日本語を話していると言う状態であるといえます。
もちろん日本人の知り合いを留学先で作ること自体は悪いことではありません。
何か困った時に母国語で助け合うことのできる仲間は留学先で非常に心強い存在になるでしょう。
しかし、ずっと日本人とばかり過ごしてしまうと留学をしている意味がなくなってしまいます。
この点で、スペインは非常に留学に適した国であると言えます。
なぜなら、スペインの場合だと日本人自体があまりいませんので、強制的にスペイン語を使わなければならない状態に追い込まれるからです。
スペイン語を話せないと生活できないと言う状況は、スペイン語をしっかりと勉強しよう、と言うモチベーションにもつながりますし、言語学習において欠かせない「話す」と言うアウトプットの経験を増やす機会にもなります。
フレンドリーな国民性
スペイン人は非常にフレンドリーな国民性で知られています。
道で、全く見ず知らずの人に話しかけることは日常茶飯事で、カフェでもレストランでもお店でも色々な人が様々な場所でおしゃべりをしているのがスペインでの普通の光景です。
このようにフレンドリーなスペイン人は言語学習者にとって非常にありがたい存在です。
カフェやレストランなどでの注文も頑張って伝えようとすれば、わからないところがあっても親切に教えてくれますし、ちょっとした日常会話を投げかけてくれることもあります。
このように、スペインではふとした場面でも会話をする機会が得られるので、スペイン語学習者にとってスペインは言語を使う機会の多い、非常に良い学習環境にあると言うことができます。
スペイン留学のデメリット
情報が少ない
スペイン留学の最大のデメリットとも言えるのは、圧倒的な情報量の少なさです。
メリットの紹介の際にも触れてはいるのですが、スペイン留学はその経験者が少ないために、ネット上の日本語での情報が圧倒的に少ないです。
これは、全て自分主体で行動しなければならないと言う点で自律した留学生活を送ることができると言うメリットになる一方、何が正解なのかが分からず、かなりの不安感に包まれるというデメリットにもなります。
長期でスペインに留学する人はビザの申請が必須ですが、このビザに関しては日本で大使館に申請したあと、現地に行ってから追加で行わなければならない別の手続きがあり、その手順が州ごとに異なるため、そのややこしさに非常に苦戦します。
また、公共交通機関を使用するにしても、買い物に行くにしても、チケットはどのように買うのか、どの店に何が売っているのか、など調べても分からない点が非常に多く、初めは戸惑うことも多いです。
スペイン語が流暢に話せれば問題はないのですが、そうでない場合はある程度覚悟をしてから留学に向かった方が良いでしょう。
生活リズムの違い
スペインの生活リズムは日本と大きく異なります。
大まかなところで言うと、スペインでの時間の流れは日本に比べて非常に遅いです。
お昼ご飯は大体14〜15時、その後におやつの時間を挟んで、夜ご飯は21〜22時に食べることも普通です。
また、夜の20時や21時でも子供達は普通に外で遊んでいますし、レストランは0時まで空いているようなところも少なくありません。
したがって、慣れるまではスペイン独特の時間の流れに戸惑う人も多いと思います。
特にホームステイをする人などは、全体的な生活リズムが日本とは大きく異なりますので、初めは驚きもあるかもしれません。
差別が根強い
スペインでは残念ながらアジア人に対する差別が根強く残っています。
日常生活を送る上で、特に夜などは街中を歩いていてヤジを飛ばされたり、両手で目を釣り上げる、あのアジア人を示すジェスチャーをされるようなことも実際にあります。
また、アジア人のみで固まっている場合などは他のスペイン人に絡まれることも少なくはありません。
加えてスペインでは女性である場合、何もアジア人に限らず、スペイン人でもキャットコールをされた経験のある人が多いです。
キャットコールとは道端を歩いている女性が男性にセクハラまがいのヤジを飛ばされることを指します。
このほかにも私は現在スペインに留学をしている日本人の女性ですが、以前中国人の女の子と二人で歩いていると、スペイン人に後ろをつけられたことが何回かありました。
実際に危害があるかと言われると微妙なところなのですが、現状としてスペインには差別が存在するということを認識した上で留学するのが良いでしょう。
まとめ
今回の記事ではスペイン留学に関するメリット・デメリットをまとめました。
スペイン留学には多くのメリット・デメリットがあり、どれも一言で語ることはできません。
しかし、結局のところ留学という生まれ育った国を離れて新しい国で一人で生活をするという経験はその後の人生においてかけがえのないものとなります。
留学といえば英語圏であることが多い今、そのほかの選択肢としてスペイン語圏、特にスペインへの留学を考える際にこの記事を少しでも参考にしていただけましたら幸いです。
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